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執筆者の写真umechante

子猫の社会化の重要性


個人的に呼んでいる、イヤイヤ期というものがあります。ご飯より遊びたい、寝てなるものか、まだまだ遊ぶぞぉ~と遊んでばかりな時期。お腹は減ってるけど…やっぱり遊ぶぞ!ともぐもぐしながらでも遊ぶという、このイヤイヤ期は大体2ヶ月前後ですが、個体差というかその時の同腹の子たちの性格によるので、毎回時期が若干異なります。


発育の早い子は比較的早い段階で現れることもあり、生後40日くらいで現れることもあります。今回の様に全て女の子だと遅めかな~。経験からくる目測ですが。


誤解を招きそうな言い方ですが、とにかくこの時期はきちんと食べなくなります。細かく説明しますと、食べてないわけではないのですが、ダラダラ食いになる、要は途中で飽きるのです。体重差にバラつきが出るのもこの時期です。人間の子供でもある様に、ひとつの事柄に対峙している時に興味の対象が移り変わり、目に入ったものに行ってしまう、といった具合です。


このイヤイヤ期は、大体が社会性を身に付けている大事な時期に起こります。つまり生後2ヶ月前後というのは行動力が出てあちこちウロウロしますので、世界観が変わるのです。すると興味の対象が必然的に増えますから、こういった現象が起きるのです。子猫にとってこの時期は目に入るもの全てが面白く映るでしょうからね。ですので、ケージで育てているとしっかりと社会性を身に付けない場合があるので、私はケージ飼育やケージ管理で育児しない様にしています。


社会化が重要なこと、この説明をしてみます。

正しいブリーダーが何故、生後3ヶ月以降でお譲りするのか。それは、社会化してからお譲りするからです。きょうだい達と過ごし、爪で引っ掻いたり噛んだら痛い、とか人間の足元に迂闊に近寄ったら踏まれちゃう、とか色々諸々ありますが、この時期に、生きていく上で必要な警戒心や甘え方などを身に付けるのが必要です。


生後2ヶ月未満の子を販売するペットショップや、一部にいる早期でお譲りしてしまうブリーダーは、子猫がこの社会性を身に付ける大切な時期をきょうだい達と過ごしていませんから、イヤイヤ期がないとも言えるのです。つまり社会化にはイヤイヤ期も重要。きょうだいと過ごすという事も重要です。

だからといって、成猫になる寸前まで親元やきょうだいの側に置いておけばいいという事ではありません。そこまで時間は掛からないからです。


社会化させていないと後に弊害が出ることが多いです。弊害については大体予測も付くでしょうし長くなるので割愛しますが、私は長年ブリーディングしてきて、この社会化こそ一番大切な時期と考えているので、譲渡前のこの重要な時期に色んなトレーニングをします。正直ほっといても勝手に育つのでトレーニングしないブリーダーも多いですが、トレーニングをするかしないかで結構変わります。ここで人生(猫生)のイロハを覚えていくと考えてます。

もちろん、成猫になるまでも色んな事を学習しますが、この時期にきょうだい達と学ぶ、という事がとても大切なのです。従って、ひとりっ子だと少し社会化が遅れます。ただ母猫が自然と社会性を身に付ける様に教育しますので、育児放棄しない限り問題はありません。

ちなみに犬より猫の方が社会化は早いです。猫は一部を除き、自然界において群れで行動する生き物ではありませんから、自立心の芽生えが早いとか、そういった事が理由だと思われます。


最近ようやく社会化の重要性が認知され、法的に早い段階で販売するのは禁止される様になりました。やっとか、という想いです。


飼われる皆さんは、見た感じ一番かわいい時期の生後45日~2ヶ月くらいを所望される事も多いですが、懇懇とこの社会化が重要なことをお話させてもらってます。


生後3ヶ月以降で譲渡するというのは飽くまでも目安であり、個体差がありますから、この時点で社会化が身に付いてなければ譲渡を遅らす事がございます。大体は生後3ヶ月で社会化は終了しているので滅多にありませんが、そういった場合はきちんと説明をする様にしています。飼われた方が後に苦労するのは、出来るだけ避けたいですからね。


私たちブリーダーの責務は、ただ産ませて販売する事ではありません。こういった事も考えてブリーディングし、そして社会化を身に付ける為に様々なトレーニングをしてお譲りするのだという事も、知ってもらいたいと思ってブログに残しました。


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